かさねがさね傘の話

先週から研修と試験の為に出張中の父さんを迎えに広島に行く。
息子をこの機会に新幹線に乗せてやろうと云う親心。
だけど息子は「ふつうでんしゃがいい」と言って聞かない。

リクエスト通り普通電車に乗って二人旅。
カメラと本とお茶とおやつと万が一の為の息子の着替えで重いカバンを携え
9時26分発、113系湘南色に乗り込む。
車内ではとっても良い子にしてくれた息子。
西条駅から乗り合わせた老夫婦がとても可愛がって下さった。
普通電車に乗って良かったね。

確かに広島駅までは良かった。駅に着くと予報通りの雨。
傘を持って来なかったのは母さんの失策だ。
地下街のF.O.B COOPで適当な傘(赤)を買う。
ここから悲劇が始まる。
市電に乗り紙屋町まで行きセレクトショップ→そごうへと歩く。
何かおかしいと思って見ると傘の取っ手がグラグラしていた。
明らかな不良品だ。地下階段に入るとき傘を閉じたらその衝撃で取っ手が
折れた。信じられない。
確かに1,000円の傘だけどこれならもっと安価なビニル傘の方が丈夫だよ。
通常、雨の日傘は活躍する物だ。だけど壊れた傘はただのお荷物。
さすがに腹が立ったので購入店へ電話をして交換してもらうよう伝える。
いくら安いものとはいえ購入後20分で柄が折れるなんて有り得ん。
とりあえず地下街からそごうに入る。幸い息子は比較的良い子にしていてくれたし
子供服を見たりして母さんの服を買ったりして過ごす。
だけど、さすがに疲れてきた息子に抱っこを要求されるし、母さんも重い荷物で疲れてきた。
だいたい壊れた傘が凄い邪魔。普通なら柄を持って運べるのに柄は取れているから
横にして本体を持たねばならずストレス。なんかみっともないし。
交換してもらうからには捨てるわけにもいかないし。散々。
試験終了時刻の14時を過ぎたので父さんに電話すると「電波が届かないか電源が…」
とのアナウンス。すがるような思いで何度も掛けたけど繋がらない。
母さん限界、こうなったら二人で帰ってやろうと思い市電乗り場へ向かおうと思ったが
雨がかなり降っていた。くたびれた母子二人が雨に濡れながら歩く姿は惨めだ。
ここはデパートの1階。傘売り場が目に留まった。
腹いせにちょっと良い傘を買ってやろうと思い品定めをしたが、いまいち好みに合わない。
すると息子がラルフのピンクの傘を出してきて「まま　ぴんくがかわいいよ」と言ってきた。
店員さんもやって来た。これならすぐに壊れることもないだろうけどピンクは嫌だ。
そしたらちょうど父さんから電話が掛かる。試験開始時刻が遅くなっていたらしい。
電話が掛かってくるのがもう少し遅かったら傘を買っていたと思う。良かった。
父さんと落ち合ってご飯を食べる。本当にほっとした。
その後ビームスをブラブラしていて素敵な傘に目が留まった。
品の良いチェック柄で取っ手も素敵な意匠が施してある。開いてみると美しい形。
「2520円!!」迷わず買っちゃおうと思ってもう一度価格を確かめたら「25,200円」だった。
そりゃイタリア製のこんな素敵な傘が２５２０円な訳が無いわ。
レジに行く前に気が付いて良かった。危ない危ない。
壊れた傘は交換してもらえるんだから諦めよう。
１０００円なら無くしたって気にならないしね。

そして定番のお好み焼きを食べてカルディで食材を買って500系こだまに乗って
帰りましたとさ。